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海月屋・辻正仁『短めでお願いします』

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間違ってもいなければ正しくもない

え~と、昨日の続きみたいな話だけどね。

格闘技って嫌いじゃないし、今の格闘技もちゃんと魅力はあるよね。
でも、なんちゅうかあのファイター達って、例えばパンチの時の肘の角度とか、間接技を決めるポイントとか、そういう精度を上げてくじゃない?
それはもう、今の格闘技が駆逐しちゃった感のある往年のプロレスみたいに、特に猪木みたいに、相手の技をモロに受けるなんて事はしないように修練してる。
そんなこんなは全て理に叶ってるし、勿論技術的にも高いと思う。こういうのって、基本的な正解が想定されていて、その正解を個人の資質やなんかが生きる形で求めていくもんだからね。正解を基準に考えてるから、評価もしやすい。
「君はこのタイプだからこういう角度のパンチでバリエーションを作って」なんて考え方ができる。

シンガーが喉を壊さないような発声を身につけた上で歌い回しやなんかの修練をしてるのに近いと思う。

で、その昔ジャイアント馬場というプロレスラーがいた。
彼は巨体であるし足もデカイ。彼の足を相手に突き出す技は『十六文キック』と呼ばれた。足のサイズが十六文だから。飛び上がって両足で蹴れば『三十二文ロケット砲』である。
馬場が足を上げれば『十六文キック』なんである。ここに想定できる正解などない。どんな角度でどんなスピードであろうと、彼の足が相手に当たればそれが『十六文キック』なのだ。

それは当然、馬場にしかできない技である。逆に考えれば、馬場が足を上げると『十六文キック』になっちゃうんですよ。
勿論、馬場だって技術や基礎的な事柄の修練は積んだだろうし、努力もしただろう。でも馬場がどんなに鋭いドロップキックを打とうとしても、それは『三十二文ロケット砲』になっちゃうんだな。


他の誰にもできないこの技で馬場はファンを魅了した。老いて身体がロクに動かなくなっても、馬場が足を上げたら開場が沸いた。

例えば、今の格闘家が馬場の『三十二文ロケット砲』を目指してどんなに技術を磨いて修練を重ねても、絶対に『三十二文ロケット砲』にはならない。もともとの資質、つまり足のサイズが違うんだから、できる訳がない。それは威力抜群の一般的なドロップキックでしかないのだ。

昨日名前を上げたシンガーはみんな自分だけの『三十二文ロケット砲』や『十六文キック』の持ち主だ。その人が足を上げたら、つまり歌を歌えば、十六文キックになっちゃうのだ。
マイケル・ジャクソンなんかでもわかるように、一歩間違えるとフリークスな人達が、最大に魅力を発揮するのが『三十二文ロケット砲』な訳で、基本的に異端でありながら、ポップな個性となるもんだ。

僕が目指してるのは、自分の『十六文キック』に磨きをかける事なんだろうなきっと。
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