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海月屋・辻正仁『短めでお願いします』

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感想についての感想

文章を書くのは好きな僕であるが、子供の頃の「読書感想文」というのは嫌いであった。
あんまり覚えていないのだが、教師か誰かに感想の内容が「違う」と言われた記憶がある。今なら「アホか」と思うが、それ以来読書感想文って何をどう書けばいいのか分からなくなった。
自分の感じ方を間違いだと言われて、ではと感じ方を変えることなんてできないし、そもそも正しいも間違いもない話だべさ。

そもそも、向こうから読む本を指定してだよ、こちらの感性が反応できる作品ならともかく、興味の湧かない内容を読ませて「何かを感じろ」っていうのがおかしな話で、しかも読んだ感想について評価を下すなんていうのは、ヘタしたら読書離れの一因になるんじゃないかと思う。
だって面白くなかった人は「つまんなかった」って書くしかないでしょうよ。で、そう書いたら怒るんでしょうよ。

小説なんかは、人から読むものを強制されて、感じ方まで強要されるもんじゃない。まずは自分が面白いとか、自分の感性に訴えてくるものとかと出会い、そこで読書の面白さを覚えれば、自然と色んな作品への興味が湧いて、ある時期には色んなジャンルを読み漁り、感性のキャパを拡げていくものだ。何が書いてあっても、自由に感じ取ればいいし、そうできるのが読書の醍醐味だと知ることにもなる。
いちいち指定した作品で、規定した感性を強要するんじゃなくて、まずは、その子が読書に興味を持つきっかけを与えてやるのが教育でしょうよ。

幸運なことに、我が家には物心つく前から昔話を語ってくれたり、読み聞かせしてくれた年寄りがいたので、僕は結構早いうちから読書が好きであったので、感想文が嫌いでも読書は嫌いにならなかったが、結局「この本読め」みたいなのは嫌いなままだ。
もしかしたら、学校で夏休みの宿題に「ビートルズのアルバム聴いて感想文書け」なんてのがあったら、僕は音楽嫌いになってたかもね(笑)。

そんな話を、先日いただいたメッセージを読んで思い出した。
差し支えはないと思うので勝手に紹介させていただくと、僕の曲を聴いて、歌詞が「詩」のように感じるとの感想だったのです。そして、そのあとにそうした感じ方が僕に失礼にあたらないのかと気にしていただいてる言葉があったのだ。

先に述べたように、少なくとも僕は個人の感じ方に正しいも間違いもないというスタンスの人間なので、そのような気遣いはまったく必要ないです。僕の歌を聴いてくれた一人一人がどのように感じるのが良いかなんて、僕にも分からない(笑)。希望を言わせてもらえるなら、各々が好きなように感じて、できればそれが素敵なことであればいいなと願うだけです。

ちなみに、歌詞が詩のようだというのは(全曲ではないだろうけど)、結構アチコチで言われているかもしれない。あるシンガーソングライターは僕を「詩人である」と言って評価してくれているし、付き合いの長いミュージシャンにあっては「辻をミュージシャンと思った事はない、この人はたまたま音楽を表現手段に選んだ、もっと別な人」と、この前言ってた(笑)。

まぁ、どちらも身に覚えがないワケでもない(笑)。
「歌詞が詩である」という事に関しては、僕自身がそういったアーティストの作品に、より感銘を受けてきたせいもあるだろう。少なくとも、自分で書いていて作文みたいな歌詞になると歌う気がしなくなる。

果たして本当に詩になりえているかどうかは、聴いた方それぞれで判断していただければよいとおもうが、そういえば、他の人の歌詞にしろ、音楽そのものにしろ、絵画でも映画でも、それこそ小説やエッセイでも、もしくはスポーツ選手のプレイや舞台人のパフォーマンスでも、とにかく僕は自分で「詩的」だと感じるものに心ひかれる傾向がある気がするな。

今夜も意外と詩的な気分だ(笑)。
あとで詩がUPされるかもね。


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