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海月屋・辻正仁『短めでお願いします』

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輝くのよ〜(アルデバラン by 高井麻奈由)

あのね、高井麻奈由ってオレの知り合いなんだよ。へへッ

と自慢したくなる高井麻奈由のニューアルバムを聴いた。
いや、なんでしょう?

とてもほんの2、3年前に一緒に歌って録音したとは思えない。というか、なんかすみません。

今回は何の後ろ盾もない中でクラウドファウンディングで驚きの300万円超の支援があって(しかも際立って大口の支援があった訳ではなく、本人が何年も何年も全国を歌い回って得た支持によって集まった気持ち)、制作したというアレだ。

なんかさ、特にオレに近い年代の人たちで音楽関係者などにもクラウドファウンディングという形態に懐疑的だったり否定的だったりする人もいるのだが(それはそれでその人たちの矜恃だったり考え方があるからいいんだけど、それを他者にも当てはめて「そんなもんに頼っちゃダメだ」とか言うのはどうなんだろう?といつも思う)、だったらレコード会社とか特定の企業が製作費を出して作るのはダメなのかと言う気もする。

ヘタすると、そういう「投資」をするところは増収が目当て(企業としては当然の行為である)だったり、作品の権利を確保したり(もちろん当然だ)する目的で必ずしも、その音楽人の才能に惚れたとか純粋に支援したいからというものではない場合もあるし、ヘタすると本人の作りたくないもの作らせてまで売らなければならない場合だってある。

あるいは、いわゆるクラシック音楽の時代から貴族だのなんだののパトロンがついていて生活の面倒見てくれていい作品作るのとか、ヒモ状態で誰かに貢がせて音楽活動しているのだっているし、我々はそうした人たちの音楽も聴いて育ってきたのである。

出資のされ方にこの時代だからできる新しい道筋ができただけのことである。
多分、オレと年代の近い人たちって、「ファンが直接製作費を出す」っていう流通に慣れていないので、偏見を持ったり警戒するのかなって気もする。

でもさ、本人の音楽を聴くなり、人となりを知った上で、喜んで応援しよう、自分が新作を聴きたいから協力しようという気持ちで喜びと共にお金出すんだから何も文句を言う筋合いはない。

仮に、よからぬアレでそうして集めた製作費で豪遊してるとか、見合わない作品を発表したとしても、本人が次回から応援してた人たちの信頼を失うだけの話で、ハタからみて偏見まじりの憶測で批判していてもなんかどうなんだろうね?
オレの感じ方で言うと、部外者が何でもかんでも不倫した人間を「不倫はいけない」ってことだけでバッシングしているのに似ている気がしないでもない。

で、話が大幅にそれたが、今回の麻奈由ちゃん(いつまでも「ちゃん」と呼んでいていいのかどうか気になるくらいの出来でした)のアルバムを聴いて思ったのだが、今回のクラウドファウンディングに協力した方たちのほとんどは、これ聴いて次回またそういう呼びかけがあったら、喜んでまた参加すると思う。

という感想でございます。

オレとしては、もうプレイヤーも手放しちゃってるにもかかわらず「アナログ盤だしてくんないかな?」などとも思った。

コレ、メジャーの世界で現役バリバリ、第一線でやってる方がプロデュースしてるのね。
だからこその不安が正直あったのよ。オレ、その人のことよく知らないから。
変なふうに装飾されちゃわないかなとか、今時の(一時よりは解消されてはいるが)辟易するような音圧に仕上がってないかなとか。

全然でした。

全14曲。正直、オレ今時の音圧で音がびっちり埋め込まれたものを14曲聴けないのよ。疲れるし、嫌になってくる。気持ち良くないので。なので、特に昨今の日本のやつはアルバム通して聴ける作品てそんなに多くはない。

それがね、このアルバムはいい具合にシンプルで、一個一個の楽器のセパレートが広くて、ふくよかな音してて、隙間たくさんあって気持ち良かった。なんちゅうの? 聞いてる人が音の隙間の中に入っていける心地よさがあるのね。
昨今の風潮に合わせるとこんな音像にはならないはずで、そこはやっぱりプロっていうのは自覚的にやってるんだなと。

そんで、多分だけど、そうした制作側もこれ作ってるの楽しかったんだろうなって、聴いてるとそんな気がしてくる。

で、ま半分くらいはライブだったりとか、以前にも音源化してた曲なんだけど、アレンジの巧みさもあるけど、それに乗って歌う麻奈由ちゃんのボーカルがいいね。コレ、やっぱりボーカルディレクションされたのかな?

味わい深くなっておる。いい意味で「がむしゃら」ではない空気が伝わってきて、なので余計に楽曲が生えると言うか、「我」じゃなくてちゃんとそこを歌を伝えるアレになってるのね。

あと初めて聴いた曲とかだとさ、曲作りがすごい上手くなってるな〜って。
見習わないとな〜みたいな。

綺麗に正確に素直に歌詞をメロに載せるってのは昔から上手だったんだけど、歌い方とか言葉の組み込み方でグルーブ作るようにもなったんだな〜って、落ち着いてヘッドフォンで聴いてて思った。

特に「1986」の冒頭の歌詞とその歌い回し方はちょっとゾクゾクっとした。
各楽曲で上げていけばキリがないのでそのへんは機会があったら本人に伝えようと思うが、何年か前にもここに書いたか、本人位伝えたかもしれないが、オレが思う「シンガーソングライターの真髄」のような曲の書き方であり、歌い方がまた進化なんだか深化なんだかしておる。
「作者本人のことを歌ってる」のに本人のことを伝えるとうよりも「聴いているひと本人のことを歌っているように」聴ける歌。こういうのは狙ってそうしてるんだか、自然とそうなるんだか、今度本人に聞いてみよう。

もちろん、ライブで弾き語りとかで聴いていた時の自分の個人的なイメージとズレのある曲もある。
「あ、ベースそんなに動かないで」とか。

でもこれは好みの問題というか、何が正解ってもんじゃないし、基本心地よいので「あ〜、こういう切り口もあるんだな〜」っていう新鮮味がかんじられたりもして良きかな。
元々がオレの好きなテイストであることに変わりないし。

いや、すごいもの作ったな。でも彼女がこれ作るまでにどんだけのことやってきたのかも知ってるしね。気軽に羨む気にはなれない。あの心意気からすれば作るべくして作られた作品であって、運が良かった訳でもなければ才能だけで得してきたのでもないのだから。
ただただ恐れ入りました。
そしてこの作品からまた、これからもっと素敵なことをやる事も知っている。

そうです、期待とか願いとか予想じゃなくて「知っている」のです。

今度あったら緊張するかもしれないなオレ(笑)

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〜今後のライブ予定〜

※いずれもご予約は【contact】をご利用ください(入場者数に制限がありますので、お早めに。)→https://www.kurageya.net/contact


6.4(日)
​【東日本大震災チャリティーライブ・500L Vol.38】
場所:円山夜想(札幌市中央区南1条西24丁目 ヴィンテージビル地下)
OPEN 17:00
START 17:30
入場無料(振る舞い酒あり)
出演: kenzzzi(前説)/ Thank you sun scene / あまつぶドロップ / 辻正仁
500L Vol39



6.22(木)
【フライアーパーク25周年月間!】
場所:フライアーパーク
(札幌市豊平区平岸4条7丁目) 
OPEN 20:00
START 20:30
料金:2000円(1ドリンク付き)
出演:コイズミサトシ / よりみち / 辻正仁
25周年



7/13(木)
【ブッキングライブ】
場所:フライアーパーク
(札幌市豊平区平岸4条7丁目) 
OPEN 20:00
START 20:30
料金:2000円(1ドリンク付き)
出演:黒田雄亮 / アズマトウゴ / 辻正仁
23_07_13フライアーパーク
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