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海月屋・辻正仁『短めでお願いします』

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裸の覚悟

田高健太郎のペニーレーンワンマンライブに行ってきた。
今年で3回目だったか4回目だったか…。

毎回声かけてくれてたりもして、行きたかったんだけどどうにもタイミングが合わずだったんだけどね。
今回はですね、結果的に先日の自分のライブが飛んだ事によって、ちょっと時間的にやりくりする余裕ができまして。こういうのも何かあるんだろうね。

でもまぁ多分、会場に着くのが始まった後になっちゃうだろうなって思ってたのが、なんか色々急いでたら割と余裕で間に合った。ってかこんなにいそいそとしてるってのは、オレは田高健太郎のファンなのか(笑)?

健ちゃんとお知り合いになれたのはそんなに前の事ではない。
もう『田高健太郎」って存在がすっかり確立されてからのこと。
もちろんそれまでも名前は知っていたし、なんせいろんな方の口から評判も聞いていたし、まぁちらっとどこかの会場で見かけたり、ちょっとだけ一方的にステージを拝見した事もあって気になってたのよ。

それで、以前、地震で北海道がブラックアウトしたその真っ最中に、彼がフライアーパークの宗ちゃんに相談して、ライブをやると。多少電力が回復しつつはあった時だと思うけど、フライアーパークで、生音でやるっていうので出演できる人間を募集してるのをSNSで見かけて、その瞬間に立候補させてもらった。
前々から気になっていた人と一緒にライブができる機会っていう事もあったし、「非常に不安な状況下で心細さを感じている方たちに音楽を届けたい」という心意気に、僭越ながら自分も乗っからせてもらえるならと思ったのです。

なんちゅうんだろう? 普段のなんでもない時に「皆さんのために」とか「自分の音楽で元気になって欲しいんです」とかは言うことはできるのです。
辛辣な言い方になってしまうけれど、あえて意地の悪い見方をすれば、自分の頭の中に演出のための台本を用意していたり、その場のちょっとした空気に浸っていい気持ちになれば、ポロっと言えちゃう場合はあると思う。誰にだって。

正直、オレは自分がそんなふうに「言おうと思えば簡単に言えてしまうよな」って感じてしまう人間だから、よっぽどじゃない限りステージでそういう事を言うのは控えとこうと思ってたりする。実際にどう思っているかは内緒(笑)。

でさ、そのブラックアウトみたいに、自分が動くことすらままならないような状況になって、自分にだっていろんな心配がある中で、それを即座にやってしまえる人はそうはいないのです。
おそらく彼が考えたのは「なんとか自分が歌うことで皆さんを励ましたいという気持ちを届けたい」ってことだったと思うのね。もう、考えたってよりも、そういう衝動に突き動かされたのだと思うのです。それは本気で自分が音楽で誰かに何かを差し上げたいと思ってるからでしょう。そこに迷いがない。

これ、よっぽど自分がやってる事に覚悟を決めているか、もしくはいい意味でよっぽどのバカじゃないとやれないと思うのですよ。

そして、実際に一緒にライブやって、間近で彼の歌ってる空気を見て感じたのです。

「田高健太郎は覚悟を決めたバカだな」って(笑)

だからオレは彼のことが大好きになった。

ある意味、憧れてもいるような気がする。

アレ、できないもんオレは。

と、今回のライブを見て改めて思った。

なんちゅうんだろ? 若い頃にさ、こういうのやってみたいなと思ってたけど、正直な話「自分の性分には合わないな」と思ったことをやってるなって。
コレを自分がやると、どっかで嘘になるからやめようって思ったんだよねってことをやってるんだよね。嘘偽りない形で。だから、帰りにちょっと反芻しながら「あぁ、自分がやろうとしないで正解だったな。オレがやってたら今頃音楽やってないな」って思って非常に良い気分でございました。
「オレが嘘偽りのない形でやれるのは、今の自分がやってる事なんだよな」って、健ちゃんのライブ見ながら、自己肯定感も増した(笑)。

ん、なんだろうね。もし彼が何か自分のやってる事にたくらみを持っているのだとすれば、それは「自分のままを企みなく曝け出そう」って事なんじゃないだろうか?

だからね、彼のようなタイプの歌やってる人って、オレ実はあんまりピンとくる人いないんだけど、健ちゃんがやるとグッとくるんだよね。きっとそういうのを世間では「説得力」と言うんだろう。
そういうタイプの歌なんだよね。やっていい人とやらない方がいい人が如実にわかる。

会場にいた人たちも、本当に彼が好きな人たちだったので空気が気持ちよかった。なんちゅうの? 本人がそういう人なもんだから、みんな躊躇なく応援してる感じ。
始める前の盛大な拍手でまず涙腺が緩む(笑)

そんで、今回初めて長時間にわたって彼の歌を聴いたんだが、オレって彼の書くメロディーが好きだわ。どうしても歌詞とか歌うってか叫んでる姿に注意が行きがちになるけど、メロもいいし、今回バンドスタイルでもやったけど、そうなるともう音楽的にシンプルで豊かだってのがよくわかる。

簡潔に言うと、オレの好み。

それで、こういう大きめのステージの華やかなライティングとかが似合う人だなってのもわかった。衣装とか全然無造作なんだけどね。それで一人でアコギ鳴らして歌ってるだけでステージ映えしてるのが素晴らしい。

本人も言ってたけど「どこでやってもやることは変わらない」って。それがあるからこういうステージでも映えるし、どこで見ても彼の覚悟のようなものが、装飾なしで裸のままで起ち顕れて来るんだろうな。

スタイルは違っても、なんかいろんな部分で刺激になったというか、「大事なことは何か」っていうのを再確認させてもらえた。

このおっさんも、おっさんなりにまだ行けるはずだし、やることあるな。


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〜今後のライブ予定〜

※いずれもご予約は【contact】をご利用ください(入場者数に制限がありますので、お早めに。)→https://www.kurageya.net/contact




12.29(木)
【東日本大震災チャリティーライブ 500L Vol.37】
会場:円山夜想
(札幌市中央区南1条西24丁目ヴィンテージビル地下)
OPEN 19:00 
START 19:30 
入場無料(振る舞い酒あり)
出演: kenzzzi(前説)/ 中田やすひろ / 観月 / 辻正仁
500L vol37フライヤー




2023.1.21(土)
【バースデーワンマンライブ】
会場:フライアーパーク
(札幌市豊平区平岸4条7丁目)
OPEN 19:30
START 20:00
料金:2000円(別途ドリンク代500円)
出演:辻正仁
バースデー2023



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