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海月屋・辻正仁『短めでお願いします』

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『グリーンブック』が良かった件について


驚くべきことにもう1月が終わろうとしている。
この調子だと、うっかりしているうちにダウンコートきて歩き回ってるのはオレくらいでみんなTシャツで過ごしているなんてことになりかねないので気をつけなければ。

ってことで「次のライブは2月だからしばらく間が空くな〜」って気分でいたら、気がつけば今度の土曜日じゃないか。

昨年末M3と言うユニットでご一緒して楽しいライブをやった、My&jennieの高橋麻衣子ちゃんが長年継続して企画している『処方箋ライブ』に久々にお誘いいただいた。
以前も何度か出させてもらっているが、確か前回も冬で、その頃まだ骨折した足が完治しておらずボルトをはめたままだったりして凍てついた小樽の坂道が危険だったために麻衣子ちゃんに駅まで車で迎えにきていただいた記憶がある。
なので、4〜5年ぶりなんじゃないかな?
今回は自力で行けるので大丈夫。


2019年2/2(土)
【処方箋ライヴvol.295】
場所:(旧)岡川薬局cafe white
(小樽市若松1-7-7)
START/19:00
料金:2000円(1ドリンク付)
出演:mitsumi / まえすわりゆうり / 辻正仁



さて先日、こちらもものすごく久しぶりに「試写会」なるものに足を運んだ。
ってか劇場で映画鑑賞すること自体が『シン・ゴジラ』以来かな?

昔はネットニュースなんかにコラムを書いていた関係でしょっちゅう試写会に呼んでもらったりしてたんだけどね。
特に今仕事として媒体に記事書いてるわけでもないんだが、なんかそういう機会をいただいたので観てきた。

『グリーンブック』
3月から公開されるらしい。

今年のアカデミー賞の作品賞をはじめいくつかの部門での候補らしい。
あんまりそういうのに個人的な興味はないけど。

というのも、過去に何らかの映画賞を受賞してたからと言って、それが自分にとって面白いかどうかはまったく別の話なのでね。経験上「面白いのもあったし、途中で観るのをやめるくらいつまらなかったのもある」というのがあるので、あまり宣伝で賞を取るとか取らないとかいう触れ込みは自分の興味の範疇外なのです。

これは映画だけじゃなくて、音楽や文学なんかもそうだけど。

なので「受賞作だから」とかいう理由で興味を持つことはまずない。でも、そういう話題によって多くの人の関心を集めるのも理解できるし、自分の好きな映画やら音楽やらが何かの賞を受賞して関係者が嬉しそうな顔をしてると嬉しいよ。そのへんは健全だと思う(笑)。

で、特に映画はってことだけど、何かで情報を得て興味を持って「観に行こうかな?」とかおもっても、上映期間ってものがあるじゃない?
それで、たまたま自分が空いている時間があったとしても、その時に映画を観る気分じゃない場合ってのもあって「また今度時間ある時にしよう」とか思っているうちに公開終了してしまってたりするばあいもあるので、結構見逃す。

本やCDなんかも気がついたら絶版とか廃盤になってたりとかもあるし、まぁ間違いなく好きな作者のものはなんだって発売直後にチェックするけどさ。

で、そういう生活を長年送ってると、別にタイミング逃したとしても特に支障がなく、生活はつつがなく進行していくのもしっているので、あまりどうこう言うことはないので積極的に新作情報を探して確認することもなくなってきた。逆にそんな中で自然と情報が入ってきたり、とくに無理しなくても見聞きする機会が訪れるものというのは、例え発表から何年たったあとだったとしても「自分が触れるべき時に触れるべきものに出会える」という感覚がある。

いつものごとく話が脱線したので戻そう。

話は戻すが、オレのように見る前に情報をできるだけ遮断したい方は読まないでね。

『グリーンブック』




greenbook.jpg


試写会観れますよって話を聞くまで、この映画の存在すら知らなかった。
で、まずこのタイトルにひっかかりを覚えて、でなんか予告編をちらっとネットで確認(今現在公開されてる予告編と違うバージョンだった)。
で、そこの冒頭で主人公と思われる黒人と白人の男たちが「フライドチキン」についてやりとりしているシーンが出てきた。
そこで予告編を見るのもやめた。

でも止める前にちらっと黒人がピアノを演奏しているシーンも目に入ったけどね。

その一瞬の予告編の空気感と「グリーンブック」「フライドチキン」ってキーワードで「あ、オレこの映画好きだ」って確信めいたものがありまして。
で、なんかそのままフラーっと試写会に入れてもらったという…

つまり、そういうふうにタイミングってものはちゃんとやってくるのね。

前述のキーワードはどちらも黒人に対する差別と偏見が含まれている。
正直、なにか予告編の画面が極度にシリアスなものであったりやたらと感動を煽りそうなものであればそこで自分の興味は失せたかもしれないけど、そういうんじゃないからってのもあったけどね。

一応ジャンル的には「コメディ」ってことになってるようだけど、そんなに過激なギャグや冗談があるわけでもない。むしろまだ人種差別が当たり前みたいに生活の中にあった時代に生きている人たちの日常にある「おかしみ」みたいなものを淡々と描いていたように感じる。

黒人ピアニストがツアーの為に白人のドライバー(兼用心棒)を雇って、黒人差別がまかり通っていたアメリカ南部のツアーに回ると言う、いわばロードムービー。

まぁ、60年代初頭の物語だから、彼らが住んでたニューヨークなんかでは表向きは差別もそんなに過激ではないけど、南部に行けば黒人は「人種が違う」っていうよりも「人として認めてない」みたいな…。
ただ、裕福層とか知識人とか言われる人たちは、表面上は「私は人種差別なんかしてないし、素晴らしい芸術は偏見なく認める見識があるんですよ」って形をとるから、そこにいろんな欺瞞が生じるのね。

で、この主人公らもこういう差別を扱う物語のステレオタイプな「黒人と白人」ではなくて、ひねりがあるってのかな?
黒人は「天才ピアニスト」として高い評価を受けていて、裕福な暮らしをしている。そして教養もあり品格もある。
白人の方はニューヨークの下町の狭いアパートに家族と暮らし、クラブの用心棒をしてなんとか生活しているガサツで乱暴なイタリア系。育ちも悪く手紙を書くのにも単語の綴りを間違えてばかり。

そのことにより(実はもう一捻りあるが、あんまりバラしてもね)黒人は様々な葛藤を抱えている。
方や白人の方はおそらく当時の人たちにとってはそれは「差別」という意識もなく当たり前だったんだろうが、表面的には黒人とも普通に接したとしても根底に偏見を持っている。
黒人が口をつけたグラスは気持ち悪いクセに、ラジオで流れるソウルミュージックを好んでいるという矛盾に対する自覚すらない。

この二人が旅をして、次第に互いを理解し尊重し、まぁ友情を育むことになるところまでを大げさに煽ることなく、抑制を効かせて丁寧に描いている。

このさらっとしたってか淡々とした描き方が良かったんだな。
音楽もね、ピアニストだけに演奏シーンとかもふんだんにあるんだけど、BGMも含めてあんまり音楽で見てる側の感情を煽ることはしないのね。ただ、その分大事なところでものすごく効果的に迫ってくるようにちゃんと作ってある。それも効果的なあまりこちらの感情が溢れちゃう前に止まるのね。
これ、演技にも言えるけど。

芝居のことはよくわからないけど、こういう抑制の効いた作品で、セリフとかで余計なこと言い合ってがっつり涙流して抱き合うとかじゃなくさ、ただ運転席と後部座席に座ってたり並んで歩いてる二人がちょっとした言葉のやり取りとか表情だけで、なんかニヤっとさせられたりグッときたりするのって、多分「演技力」ってことなんだろうね。

なんか、特に夫婦でそのことについてやり取りするわけでもないのに、主人公の白人男には黒人に対する偏見があって、奥さんの方はそれを「しょーもない」って思ってるってわからせたり、最後の最後でそれが見終わった後の「ほっこり」した気分になるというか、最後に「あはは」と笑って席を立てるシーンに生きてるんだよな。
全然登場する場面少ないのに、奥さんが大活躍なんだよコレ。

ん〜、公開前にどこまでネタバラシしていいもんだかわかんないけど、「いい映画だ」って広げたくて試写会観せてくれたんだろうから、一応感想かいてみた。

なんちゅうんだろうね?
日常の生活の中でも執拗に思いやりをアピールしちゃうような発言とかさ、傷つけられただのどうしたのって大騒ぎするようなSNSの書き込みとかさ、それはそれで悪気はないんだろうしそれぞれ言い分はあるだろうからいいんだけど、オレ個人の言い分も言わせてもらうと、ちょっとそういうの見聞きするのってしんどいこともあるんだよね。

なんかこういう淡々としたってか、何気ないやり取りやあるいは口の悪い冗談の中でもさらっとお互いに対する思いやりとか理解とか尊重するみたいなことがにじみ出るような、ベタつかない距離感が好きなんだろうね。

逆に殺伐としすぎた、不寛容なものとかも蔓延しちゃってる気がするし。

なので、この映画観てる時ってオレにとってはすごく居心地良かった。
もちろん、その中にとても考えるべき、感じるべきいろんなことがあるんだけどね。

興味あったら3月になったら観てみてくださいな。








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