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海月屋・辻の日々

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流行に遅れてるらしいがジャストタイミングで観た映画の話


何かについて考えたり調べたりってか、そこまでしなくても興味を持っていると、それに関連する事柄がひょっこり目の前に現れるなんてことがあるでしょう?

ちょっと付け加えての考えを示唆してくれたり、多少視点を変えたような見解を得たりとか。


まぁ、なんのことはないアレなんですが、今回は風邪のおかげで散歩の時間が短縮されて、手持ちの本も読み終えてしまった後で、こちょこちょやっているうちに2本の映画に出くわしたワケです。

『アイ・オリジンズ』と『メッセージ』

どちらもSFといえばSFなんだけど、宇宙をまたにかけて光線銃が飛び交うようなSFではないし、サイボーグも登場しない。
アクションもほぼない。
非常に静的で詩的な作品といえるだろうか?

まぁ、アレです。先日書いた「時間の概念」についての話ってところから派生するようなアレだね。

『アイ・オリジンズ』は映画のオリジナルストーリーらしいけど、早い話が「輪廻転生の話」と言っていいのかな?
それがさ、網膜のパターンって指紋以上に明確に個人個人を識別できて、他者と同じものはないんだけど、転生するとその網膜パターンが転生以前の人と同じだと…。そういうアイディアなんだね。
その着想が面白いな〜と。映画自体は非常に淡々としていて、転生だからどうしたってことも一切ないんだけどさ。
そのアイディアを主軸にしたちょっとしたドラマでございます。

『メッセージ』は公開時にそこそこヒットしたらしいのだけど、全然内容とか知らなかったんだよね。で、観てみたら「この話、なんか知ってるかも?」と思ったんだけど、テッド・チャンって人が書いた短編『あなたの人生の物語』だって途中で気がついた。
結構好きな短編であった。

これは文字通り、時間の概念に関するお話。
これも一個のアイディアを主軸にしてるんだな。
あの、人間の持つ時間感覚とか、その他の生活概念ってのは言語によって作られる部分が多くて、先日ちらっと紹介した時間概念を持たない部族とかに英語とか教えると時間の概念が働くようになるらしいのね。ようは英語(日本語もだけど)の言語の構造自体が時間が過去から未来に流れてるってのが含まれてるから。

それで脳みその中の感覚に時間というものが発生するらしい。

で、この映画(原作もだけど)は、その「時間」ってものが過去から未来に流れるものではなくて、同時に全ての時間が存在する概念(あるいは認知)を持っている異星人とコミュニケーションを取ろうとして、彼らの言語を解析していくうちに未来の自分も見ることができる感覚が身につくというようなお話。

どうなんだろうね? この映画、多分制作費がそれほどでもないんじゃないかと思うんだけど、それが功を奏して非常にワタシ好みのものになっちょりまして。
プロローグ的なシークエンスがほぼ説明なしにスピーディーに流れるんだけど、ワンカットの見せ方で説明してない状況が空気として伝わるような。こういうの大好き。
もしかしたら、日本のTVドラマみたいに何でもかんでも言葉で説明したりってのを見慣れている方にはなんだかよくわからないアレになるのかもしれないけど、オレはどっちかというとそういうのがまどろっこしく感じる方なので。

あと、ちょっとした細かいところが、コレもそんなに説明してないんだけど、宇宙船の中に入るときに、重力の働きがちょっと人間の常識的にはあり得ない感じになっているとこに入っていくんだけどさ、そこで言語学者とか軍人とかは「そうなってるから」ってことで重力方向が変化してもわりとスムーズに移動するんだけど、理論物理学者だけ転ぶんだよね(笑)。
つまり、彼だけ重力の働き方を理論的に理解しているから、知ってるだけにその理論が破綻した状況についていけないってシーンなんだけど、こういうのを説明なしにサラっと盛り込んでるのがなんか嬉しい。
細かいこと気を使うけど、説明しないってのが。

その時間概念の云々ってのも、ちらっとセリフでそれっぽいこと言うけど、気がつかない人は何がなんだか意味がわからないかもしれないな。
宇宙人が使う文字言語ってのも、人間って文字は基本的に二次元じゃん。でも宇宙人のは三次元構造になってるんだよね。ってのはオレがそう解釈しただけで説明ないけど。
これはこう考えると分かりやすいってか、我々は縦横高さの三次元を認識(時間を含めると四次元)して生活していて、文字は二次元の形態。
でもおそらく宇宙人は時間も過去から未来って一方向の流れで現在を認識してるのではなくて、時間は過去も未来も同時に俯瞰しているような次元の存在だから、使う文字が三次元構造になっているってことなんだろうなってのがね。

多分コレ、こう言うのがわかる人は実に面白くて深みのある作品なんだけど、ここに気がつかないと何が何だかわからなくて単調で面白みのない作品ってことになるんじゃなかろうか?

とか思って、なんとなく個人の映画評みたいの漁ってみたら、やっぱりそのようで。

なんか主人公が未来を予知する超能力を身につけたみたいな感想があったりして。
いやいや、もうちょっと違うドラマなんだけどね。

という、どっちも「アイディア一発」で勝負しつつ、抑制の効いた映画でございました。
ちょっと機嫌が良い。





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