こっちの方が面白かった2016-08-20 Sat 22:45
なんかふとした弾みでここのところしばらく『踊る大捜査線』の映画版シリーズを観ていた。 なんせテレビ見ないんで、テレビシリーズ放映当初は見ていなかったんだが、まだテレビを持っていた頃に再放送とか見て、まぁ面白かった。 もともと、脚本を書いている君塚良一の作品がワリと好きだったってのもある、欽ちゃんのブレーンである放送作家集団『パジャマ党』にいた頃からその名前は知ってたし、明石家さんまの『心はロンリー』だかってコメディドラマも好きだった。 冬彦さんのやつはまったく見てないし、興味もなかったが。 あと、好きだったのは『ラブコンプレックス』かな? ハナから物語が壊れちゃってるのをワザとやってる感じとシュールさが、なんか当時流行ってたドラマになかったアレで、唯一楽しんで観れる作品だった。 まぁ、バカバカしい漫画を惰性で楽しんでるような。 それでまぁ、『踊る〜』の再放送見だしたきっかけは脚本がこの人だったから「どれどれ」って感じで見はじめて、まぁ面白かったんだけどね。 まとめて映画のシリーズ見てみたんだけどさ。 まぁ一作目はワリと面白かったんだけど、2作目でなんか本来持ってた作品の在り方と、かけられる予算の大きさのバランスが崩れちゃってるなって思ったのね。人気シリーズの宿命かもしらんが。 (余談だが、その点リュック・ベッソンが製作した『トランスポーター』シリーズは見事で、人気が上がっても作品のスケールをまったく変えなかった。多分増額された制作費は人気となった俳優のギャラに充てられた程度だろう) んで、三作目とファイナルに当たる4作目はもう物語としてお粗末というか、破綻しちゃってるというか、作品世界の空気にだけまさに踊らされてる感じがして、あまり夢中になって見れなかった。どっちにしろ時間つぶしに読む漫画と同じなんで、そんなに文句はないけどね。 なんか、4作目なんて信念強いはずの犯人の人たちの主義主張が『結局、何を肝に行動してたの?」って感じで、いろんなのがゴチャゴチャになってて、切実なものとしての説得力ないんだよね。 雰囲気だけあるけどねって。 なので、最後の主人公サイドの現実離れした行動に爽快感も持てない。 「あ〜ありえんバカバカしさだな」って感じで、「ウワー、メチャクチャでいいな〜」って思えないし、そこまでの一連の必死な奔走もなんかよくわからん内に都合よく解決に向かってるだけで、まぁスリルがない。 走り始めた瞬間から「あ、犯人の場所に行くんだね」って感じで緊張感も何もない。 あのさ、漫画だってすごくよくできてる作品は、オレは心して読むのよ。 でもそれと違う部類なんだよね。 『サザエさん』とかそんなに心して読まないでしょ? 時間つぶしみたいな。最近の『ゴルゴ13』もそうだけど。 飯食いに喫茶店に入ったら置いてあったから読むみたいな。そのあたりが丁度よい作品。 でさ、それでふと同じ君塚作品の『恋人はスナイパー』って、一回だけTVで見て、面白かったような記憶があって。 んで映画版を観てみた。 これはちょっとだけ「心して読む漫画」に近かった。 サウナに行ってなんとなく休憩室で読んでた『宇宙兄弟』が以外と軽い感動があったり、ちょっと切なさが沁みたりしたのと似てる感覚。 まぁ、こちらも細かい部分で突っ込みどころはたくさんあるんだが、メインの話を転がしていく上で余計な登場人物も余計なエピソードもないので、『踊る〜」とは違って最後まで気をそらさずに観ることできた 多分、細かな整合性にこだわらないとうか、大雑把な流れでこういう事ですってのがあれば、そこを細かく詰めるって作業がないのは君塚良一って人の脚本の特性なんだろうな。 主人公の2人を筆頭に、みなさんいい芝居で人物が存在感持ってるのも、細かな点は「ま、いいや」と思える要因かも。 要は、この人たちが魅力的な姿を楽しめるならいいやって。 あとは、ちょっと何かよくわからんが自分の「切なさ」のツボを押された部分もある。 作品世界のスケールと作品を描く予算のバランスもよいと思う。 自分の好みとしては『踊る〜』の映画シリーズよりこっちの方が面白かった。 あ〜、コレはものすごく個人的な感想及び解釈で、他の人ってか作者当人も意識してないと思うが、観ている時にずっと感じてたのは、この物語はオレにとっては「ソウルメイト」についての物語だなって。 だから、そこを物語る上での他の細々したところは気にならないというか、容認できるのかもね。 その辺がなんか「ツボを押された」部分なんだろうね。 たまにそういうのにバッタリ出くわす事がある。 今回の場合そもそも『踊る〜』を観る事になったのって、こっちの作品を観るためのきっかけだったんだろうなって思って腑に落ちた。 テレビで2時間ものが2回くらいあったらしいが、それを観る方法はあるのかな? スポンサーサイト
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