fc2ブログ

海月屋・辻正仁『短めでお願いします』

※各記事下の「拍手」クリックで辻へのメッセージを書き込むことができます(非公開)                                       

たまに書くと長くなる

IMG_0412.jpg



かなり久しぶりにジュンク堂に入ってみたら、入った瞬間にコレが目に留まった。
『かもめのジョナサン 完成版』

約40年前の世界的なベストセラー。当時は社会現象になってたような気がする。コレが流行っている時に映画化されていて父親と一緒に観に行った記憶があるが、その時はひたすらにカモメが飛んでる映像にモノローグのセリフが重なっていてよくわからない字幕を読むのが困難でひどく退屈していた。同時上映の『マイ・フェア・レディ』の方がよっぽど面白かったという印象しかない。

大人になって思うのは、この作品を映画にする事に、お金を稼ぐ事以外何の意味もないよなって事。

ま、そんなこんなで、その後この作品の著者であるリチャード・バックという人が僕にとってちょっと特別な作家になるとは思っていなかった。

その事に関しては以前にも何度か書いてるんでかいつまんで言うと、リチャード・バックの作品は常に偶然見つけるのです。自分が「リチャード・バックの新刊出てないかな?」なんて考えて探す時には絶対に見つからない。
そして、見つける時には本の装丁やタイトルに目が留って手に取ってみると著者名が彼の名前だってな具合である。で、読んでみるとそこには必ず僕がその時に読むのにふさわしい事が書いてあるってな感じ。
日本で最初に『イリュージョン』が発表された時は、村上龍が翻訳していたが、後で知ったけどこれはもう半分くらいは村上龍が原文にないエピソードやセリフをいれたりしてたそうなんだけど、それすらも初めて読んだ10代の頃の僕にとってはその訳が丁度良い塩梅であった。あれがオリジナルに近い訳だったら逆に当時の僕が物語の「肝」を掴むのは難しかっただろうな。

なので、彼がシリーズとして刊行している「フェレット」のシリーズはあえて読んでいない。これはなんか恣意的に調べたら出て来たので、偶然見つけていないのです。ゆくゆくは読もうかと思うが、多分まだ必要じゃない。

さて、『かもめのジョナサン』

僕が初めて読んだのは中学生の頃だったと思う。ブームが去って数年後。
なんせ映画の件があったからね。自分の中に「つまらないしよくわからない話」って記憶があったんだけど、レコード聴きながらぼうーっとしてる時に父親の書棚にコレがあるのが目に留まった。多分、ベストセラーだった時に親父が読んで、その後ずっとそこに収まってたんだろうけどね。

丁度レコードが終わって、片付けるのに立ち上がったついでにほとんど無意識にソレを手に取ってソファーに寝転がって読み始めたのが最初。

中学生にこんな話を読ませてはいけない(笑)

そこには中学生の僕が誰かから聞きたかった事が書いてあった。

少なくとも僕はそのような解釈をした。
短い話なんで読み終えてすぐまた最初から読んで、確か翌日また読んだと思う。

未だに不思議なんだが、この本を熱心に読んで心酔していたという人物がとある新興宗教に入信してテロ行為を働いたってのがね、どこをどう読むとそんな人生になるんだろう?
まぁ、人は自分の読み取りたいように物語を読むってことなんだろうね。

当時この作品は三章から成り立っていた。

ところが実は、リチャードさん、第四章を書いてあったらしいのね。書きかけだったようだけど。
どうやらそれを仕上げて発表するらしいという話を知ったのは、数年前に彼が飛行機事故で重傷を負ってから、その後どうなったのかを調べている時だった。

それが書き上がって発表されたんだから、元気になったんだよね。良かった。

そんな訳で、ジュンク堂で目に留まった瞬間に手に取ってレジへ。

果たして、中学生の僕がこの第四章が加えられた物語を読んでどんな感想を持つかは分からないけど、今の僕はこっちの方が気に入っている。

僕の価値観が定まる時期に影響を受けたのは多分、リチャード・バックと、そしてジョン・レノンだと思うんだけど、第四章を読んでてジョン・レノンが「みんな立派な本の表紙を崇めるけど、その中身を読もうとする人は少ない」みたいな事を言ってたのを思い出した。
そういう事が書いてあった。

んで、もういい歳になったから言っちゃうけどさ、なんか変な感じに受け止められるかもしれないけどね。

僕がガキの頃にリチャード・バックやらジョン・レノンを好きになったのって多分、自分が本当は既に知っている事をちゃんと経験に基づいた言葉にして伝えてくれてたからなんじゃないだろうかって、たまに思う。
「やっぱりそうなんだ」って。





スポンサーサイト




未分類 |
| HOME |