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海月屋・辻正仁『短めでお願いします』

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テニスのおじさま

とある知り合いの音楽人とお茶してる夢を見た。

まぁ、たまに現実でもある事だし、彼女とも結構話し込んだりした事あるので、その記憶なんだろうね。

場所はどっかの秘密の場所らしい。
迷路みたいな細い廊下を歩いて、途中にやたらと綺麗な水が溜まったプールがあったりして。
で、散々廊下をグルグルした挙げ句に木目調の分厚いドアを開けた個室に彼女がいた。
個室といっても結構な広さがある。
やたらとデカイ木のテーブルに椅子がズラリと並んでいて、30人は座れるなと思った記憶がある。

ま、部屋のほぼ全域がこのテーブルに占領されてる。藍色の漆喰の壁に囲まれ、オレンジ色のアンティークな電気スタンドが一台。照明はそれだけなので、何もかも薄暗い。
相手の表情もわからない。
彼女はそのスタンドが置かれた、テーブルの向こう側に座っており、僕はテーブルの横の僅かなスペースに置かれた、赤紫色の二人掛けのソファーに座って話をしている。距離が遠いよ。

最初は多分、何か音楽の話題だったハズなんだが、なぜか途中から、彼女の才能が認められて、ウィンブルドンオープンテニスに参加できる事になったという話に。

なんで音楽が認められて、テニスの大会に出られるんだかわからないけど、出場権を獲得したそうで、世界に出るチャンスなんだから、頑張ってと告げたんだが…。

ところが、その出場権は予選参加って事で、彼女はそれが気に入らないらしい。

『なぜシードされないのか、なんで今更私が予選から出なければならないのか? 今の自分の力なら、本選から出て当然だ』と・・・

なら、予選なんて楽勝だろうから、出ればと言うのだが、彼女にも意地があるらしい。

でもね、本当は自分でシードの実力があるつもりなのに、予選で負けるのが怖いんでしょ? と。
一応周囲に注目されてウィンブルドンまで行って、予選落ちしたらみっともないし、シードの実力があるって自信も崩れる。それが怖いんだろうと、僕はちょっと腹を立てるんだな。

アナタ、ついこの前までオドオドしながら、一生懸命小さなライブをやってたじゃない。
それが、ようやく認められたからってウィンブルドンをナメるんじゃないよ。
予選に参加できるんだって相当なものだ。悔しいならそこで勝って本選に出なさいよ。もしダメでもウィンブルドンで試合するって経験だけでも得るものはある。 負けても今の自分から後退する訳でもないのに、歴史ある大会を経験できるチャンスを棒に振るなよ。
そんな事を言ってみた。

でも彼女も譲らないんだな。シードなら出るのにと。
僕はかなり腹立たしかったんだけど、気を落ち着かせて、中身のないプライドを守って何が得られるの? と問いを残して部屋を出た。

入れ替わりに知らない女性が部屋に入って彼女に僕の話をする。

実は僕はかつて招待もないのに単身ウィンブルドンに向かい、予選出場して本選まで勝ち進んだらしい。
で、本選では力及ばずアッサリ負けたんだそうだ。

それでも、ウィンブルドンから帰って来て僕のライブも作る曲も大きく成長したと。そういう経験があるから、アナタにもウィンブルドンに行って欲しいのよと、その知らない女性が彼女に話している。

廊下を歩きながら僕は初めて聞く自分の過去に驚く。そして、まったく身に覚えのないウィンブルドンでの日々を思い出す。

水色の縦のストライプが入ったテニスウェアを着て、サーブ&ボレーのアグレッシブなプレイ。どんなに劣勢になっても自分のスタイルは絶対に譲らない。
ジャッジが間違っていると思えば、激しく審判に噛みつく。
僕は少し額が広くて金髪の短い天然パーマで、気の強いアート・ガーファンクルみたいな感じの・・・

『ジョン・マッケンローじゃん!』

と思った瞬間に廊下の向こうでビョン・ボルグがサーブの構えに入ったのが見えた。

そこで目が覚めたんだが、思えばあれが僕のライブの原点だった・・・。

いや、寝惚けただけ



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