カバーバージョンの作り方(あいかわらず長い)2018-11-06 Tue 23:33
そんなわけで、次回のライブはこちらです ↓ 11/12(月) 【Wonder Covers of The Night】 場所:フライアーパーク(札幌市豊平区平岸4条7丁目) OPEN/20:00〜 START/20:30〜 料金:¥1000 (1ドリンク付) 出演:黒田雄亮 / 辻正仁 もう何度もお伝えしているが、フライアーパーク企画によるカバー曲オンリーのライブ。 普段オリジナル曲を歌ってる人間がカバーだけでワンステージやってみたらどうなるかってアレだ。 前にも書いたけど、最近の人たちってわりと屈託無く既存の曲でも歌ったりするので、多少古臭い意識であるのは重々承知しているんだが、こちとらオリジナルを歌うことを目指して音楽を始めて、そこに拘ってきた人間だからして「カバー」をやるということに対して、いささか構える部分がある。 でも色々経験しているうちに、ちょっとした遊び心で人様の曲を歌ったり、なんらかの思いを込めてセットリストに混ぜ込んだりもするようになったんだけどね。頻繁にではないけど。 それでもやはり「カバー限定で」ってのは自分的にかなり特別な企画って感じだ。そして若い頃なら「オレはオリジナルやるんだ。カバーなんてやってられるか」みたいに思ってた気がするんだが、そういう「カバーに対して構えちゃう自分」も楽しめるようになってきた。こういうのが歳を取るっていいなと思えるところ。 自分自身に対しての制約がどんどん緩くなって、ヘタすると若い時よりいろんなことを面白がれる。 でだ 世の中には色んな音楽の楽しみ方があるので、オレのように基本的にオリジナルを書いて歌うのが好きな者もいれば、自分の好きなアーティストの作品や、気に入った曲を、オリジナルにより忠実に再現した演奏をする(いわゆる「コピー」ね)のが楽しい人もいるし、あるいはそういう楽曲を取り上げてただ単に歌うのが楽しい人もいる。もちろん聞き手もそれぞれだろう。 その誰が優れているのでも、ダメなのでもない。みんな好きなように楽しめばいいと思っている。 たまに「オープンマイク形式」という企画に呼ばれて行くと、わりと弾き語り系の場合は参加者のほとんどが既存の曲を歌っていることが多いなと思う。 その中で一人だけオリジナルやってると「もしかしてオレは場違いか?」と思うこともあるが、まぁいいじゃないか。 話を本筋に戻すと、そういう色んな人が色んな楽しみ方をしている中で、自分が人様の曲をやるとしたら、単純に歌詞とメロディをなぞって、オリジナルのコード進行に従ってその作品を歌うってことはしたくないなと。そこがオレの構える部分なんです。 あのさ、昔々にギターのコード覚えるために、押さえ方の載った歌本広げて知ってる曲を片っ端から歌ってた時ってのは、まさにそういうことだったのね。で、それはそれで勿論楽しかったし、今でも楽屋に歌本とかあったらそんなことやってるんだけど、それとステージは違うかなと。 目指したいのは「人の曲歌っても辻のステージ」ってものにすることなので。 人の曲を、それが好きだから歌いましたってだけではなくて、人様の曲を通して自分のなにがしかが出てくりゃいいなと思っている。 なんだろう? 曲は人の作品でもそこに自分を託してってアレだ。 ということで、まぁ勿論選曲するにあたっては、好きな曲とかなんらかの思い入れのある曲を選ぶんだが、そのあと「自分のバージョンにする」というところまで持って行ってから披露したいのね。 まぁ例えば『Stand By Me』なんて曲があって、これはもう子供の頃から歌ってるんだけど、これなんかは一人で演るときはいつの間にか「オレバージョン」が出来上がっているんですよ。 リズムの取り方も歌い回しも他のどのバージョンでもなく、自分だけのものができている。 あとは通常のライブでたまに歌う『満月の夕』も結構色んな人のバージョンがあるけど、そのどれとも違うかな? なんか、そういうところまで持っていかないと、ステージでオレが歌う意味ないかなって気がしている。だってオリジナル聴いていれば済む話でしょ? 基本的には。それを歌うんだから「演者の中の何か」ってのがないとつまらないなと思うんですよ。 それで、聴いている人から「良かった」と言われたり「こんなのアノ歌じゃない」とか言われたりするんだ(笑)。そこでいかに自分なりに消化した楽曲で納得させるってか、面白がってもらえるかを勝負したいみたいな。 そういうのが自分のカバー演る時の「身構える」ってことね。 で、その曲を人前で披露するにあたって、ワタクシは弾き語りの場合、大体こんな過程でやってますってことなんだけど、まずは選曲を頭の中でとか、リストにしてみたりとかする。 んで、その時の企画に応じての選別とかもあるし、気分もあるんだけど、その中からちょっとずつピックアップして、さらっとやってみる。 この段階で、歌本でコードを確認するとか、歌詞を確認するとか一切なし。原曲も聴き直さない。 自分の記憶にある歌詞とメロディーを口ずさみながらコードを探して歌う。 歌いながら、オリジナルとリズムパターン変えた方が自分にしっくりくるとか、歌ってると自分の「ここでこういうのが欲しい」とか「こんな歌い回ししたい」ってのが出てくるので、それに従って原曲とは違うリズムの取り方をして行く場合もある。 で、大体の空気が自分の中で想定できてから、歌詞があやふやなところを確認。ついでに、自分で見つけられなかったコードも確認。 もともと原曲とキーが違ってる場合もあるので、コードの直しが結構面倒だったりするけど。 で、原曲のコードに納得できないとか、自分の歌の邪魔になるコードは削除するとか、もっと簡単なコードにしちゃうとかする。 はなから原曲通りのコピーをやるつもりもないし、弾き語りであれば歌で伝えたいと思うので、結構細かくコードを刻んでるやつとかは歌メロのサポートができればいいていどまで簡略化したり、逆に自分の歌うノリで間にベースライン的な補足を入れたりする。 この時点で原曲の歌メロも聴いてみるが、たとえメロディーが部分的に違っていても、全体的に原型を留めていれば、細かな部分の違いは気にしない。ただし、原曲のメロディーの方がより良い感じ(その自分バージョンに対してね)になると思えばそっちに修正。 これで大体出来上がるが、それを何回か演奏して歌っている内に歌い回しがまた変わってくるし、余裕が出てくるとその時点で浮かんだ「遊び」のアイディアを試してみたりする。 そうやって自分のバージョンが出来上がる感じかな? 要するにですね、カバー演るからと言って無理くりに何か変えようとか、そういう「あざとさ」も排除したいのね。なのでまずは自分が聴いて解釈した印象に近い「記憶の再現」ってのを最初にやって、そこで自然発生する自分の要求にしたがって歌いながら作って行くという方法です。 これやると、普段オリジナル作るときも歌いながら作っているので、なんとなく「自分のものを作る」って気分でやれたりするし、自分のものにしながら体を使ってやっている内に曲の中に新しい発見をしたりできる。 勿論、結果的に歌本広げて歌ってるのとほとんど変わらない場合もあるがそれはそれで構わない。出どころが自分の中からなのか、最初から歌本広げて外部入力したものなのかでの違いは、必ず現れるものだと思うので。 あとはちょっと遊び心が多めに出るものもあるしね。 という、そんな作業を時間を見つけながらちまちまやってるところでございます。 スポンサーサイト
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