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海月屋・辻正仁『短めでお願いします』

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もともと何を提供するのが誇りだったのか?



最初に断っておくけど
これから書く話は別にモラルがどうとかとかそういうつもりで書くわけではないです。
あくまでも、自分が生理的に不快というか、もっと正直に言えば「なんかやだな」って印象だったって話なんで、そこを勘違いしないように。

だからコレは文句とかクレームとかじゃないよ。個人的に嫌だってことを個人的なこと書いてるスペースで披露するだけなんでご了承を。

ってことで

YouTubeでちょっといろんな動画からチェックしてた時に、本筋と脱線して関連動画みたいなところに表示されてたTVのバラエティを開いたのね、ちょっとした気まぐれで。
そしたら、その番組のワンコーナーで「大食いチャレンジ」みたいなのがあって、大食いタレントと、あと元スポーツ選手とかが飲食店の「大食いメニュー」ってのかな? そこで出してるものすごい量のメニューを制限時間内に食べられるかどうかって挑戦するやつがあってさ。

これ、実際にその飲食店でメニューとして出していて制限時間内に食べ切れたら無料とかって奴なんだけど、とにかく量がハンパない。
1人で5kgとかって量なのね。
なんかご飯の上に焼き鳥とかをびっちり乗せた巨大なお重が出てきて、食べ進めるとご飯の中にさらに唐揚げがゴロゴロ入っているとか、別の店でも似たような仕込みのメニューが出てくる。

それをさ、まぁ大食いタレントは食べきる訳で、それはそれで凄いなとは思う。関心するけど、見ていてなんか楽しくないんだよね。なんか気持ちのどこかで嫌な感触がある。

なんだろうなって思ったんだよ。
まぁ、食べ切れなくて残したものは捨てるだろうけど、別に食べ物を粗末にするとかそういうのはいーんだ。勿体無いとは思うし、ちらっと貧困に喘ぐ国のこととかも思い浮かべるけど、それはこんな番組にケチつけてたってしょうがないから。
そもそもスーパーとかに大量に食材が売られていて、そこで売れ残って捨てられる分だけで、世界から飢餓がほとんどなくなるくらいの量だっていうんだから、そういうのは生産とか流通とか経済のシステムごと変えなきゃならん話なので、見える場所で食べ物が勿体無いからってことで貧困国を持ち出して文句つけるのはちょっと違うだろうと思うのさ。

なので割とTVとかで食べ物が粗末に扱われるのを見てもこれほど不快になることはなかったんだよね。

それで、なんでこんなに嫌なのかなって考えたんだけど、まぁ一つは食いきれるかどうか分からない(おそらく食べ切れない)量の食い物に「挑戦する」って姿勢が嫌なんだよね。
美味しいとかたくさん食べたいとかで食事するんじゃないってところが、自分の性分に合わない。
食を楽しんでないだよね。勝負を楽しんでるかもしれないけど。

それで食い物を貪って「食い切った」とか「ダメだった」とかって言ってるのが、なんか下品だなって思うのよ。
腹減ってようやく食い物にありついた奴が飯をがっついてるのとはワケが違う。

更に、コレ番組の企画で特別に作った大食いメニューじゃなくて、飲食店で普段から出してるメニューだってところに引っかかったんだよね。

店の方で、絶対に食い切れないだろうってな量の(実際にメニュー紹介する時に「今まで完食成功者は居ない」とか言ってる)メニューを作って出して「食べ切れたらタダ、ダメなら1万円お支払いください」みたいな事をやってるんだよね。それもちゃんと美味しい料理を提供してる店でやってるんだよな。

そこがなんか嫌なんだよね。
自分の店で出す味に誇りがあるなら客が喜んで食べて残さず食べてくれたってことが喜びになるべきなんじゃないかと。
そもそも料理を人に出すってのはそういうものじゃないかと思うのね。
それで喜んで食べた方が対価として料金を支払うワケでしょ?

それが、絶対に食べ切れないだろうって量のもの出して、食べ切れなくてお金をもらうって仕組みの「ゲーム」として料理を提供してるのが生理的に抵抗がある。
だって、丹精込めてとか、それなりに試行錯誤して作り上げたレシピとか厳選した食材とかそういう事を、最終的に食べ残して捨てる事のために費やして料理してるんだよね? 
なんか、そこに料理店の「誇り」が感じられなくて嫌なんだよな。

まだ若い頃にさ、仕事の時に毎日昼飯を食ってた喫茶店があって、そこでオレはほっとくと毎日同じもの食うからってんで、店の人がオレの身体の事とかも気遣ってくれて、勝手に毎日同じ料金で違うもの食べさせてくれてたんだよね。
喫茶店の定食とかだから、特別に味がどうとかとか食材がどうしたってものではないけど。まぁありがたかったワケですよ。

で、その店が閉店することになって、たまたまオレが最後の客だったんだけど、その時に店の人から、俺が毎日うまそうに全部食って行くのが嬉しくて、明日は何出そうかって考えるのが楽しかったみたいな事を言っていただいたんだけど…。

なんか、本来飲食店をやっている人の誇りってそういうものなんじゃないかなって思うんだよね。
収益を上げるためとか企画で客寄せしなきゃならんとか、いろんな事情はあるんだろうけど、食べきれるかどうかに挑戦させて食い切れないどころじゃない量の食い物出して、失敗したからその量の文の料金取るってところに、食としての喜びも料理人としての誇りも何もないような気がする。

そういうのがちょっと寂しいな。

コレ、音楽でも似たようなアレだと思うけどね。
CDに特典つけるのはファンも喜ぶだろうし、それで売り上げ伸びるならそれはそれでその対象への一つの評価だから文句はないけど、決してその音楽が聴きたいから売れてる訳ではないよね。ひとつのゲームアイテムとして音楽が使われてるみたいな。

100万枚売れても100万人が音楽そのものを評価してる訳ではないっていう。
実際、特典付きの音楽だってそんなに悪い内容じゃないものだってあるだけにね、それを作っている人たちはどういう気持ちなんだろう? ってなことをふと考えちゃうな。
















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