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海月屋・辻正仁『短めでお願いします』

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僕のあの帽子、どうしたんでせうね?(『帽子』 by 西条八十)

ふと気がついたら、帽子がなくなっていた。
例のグリーンのヨレヨレの帽子である。

普段から被っていたし、最近ではライブでも着用していたのであの帽子をトレードマークとして僕を印象に残してくれている方も少なくないであろうと思う。

スナフキンとか、ノッポさんとかとも言われた。

10年くらい愛用していたのでヨレヨレになっているが、実は結構良いモノなんである。
雨風から守ってくれたし、髪が長いときには鬱陶しさを軽減してくれたし、顔の不出来もカバーしてくれた。この10年の僕の汗も吸い込んでくれた。

思い当たるところには連絡してみたが、誰も思い当たらないみたいで、どうやらどこかで落としたらしい。

誰か見かけたら連絡下さい。

例によって、僕はお気に入りのものには、モノであることを超えた愛着を持つ性分なので、けっこう落ち込んでいる。そんだけ大切なものを不注意でなくしちゃったんだからね。
小学校で指導されたように、名前と住所を書いてなかったのが悔やまれる。

万が一、僕が世界の偉人にでもなれば、大変なプレミアの付くシロモノであったハズだ。
あの帽子を失ったがために、僕は偉人になれないかもしれない。

正直に言うと、以前にも失くしたことがあって、その時は必死に探して見つけた。でも今回は、あのときほど懸命には探していない。
なにか、「そういう時が来たんだ」という気持ちと、「必ず再会できる」という気持ちが交錯していてのことだ。どちらなのか分からない。
それでもやはり、今手元にないということには落ち込むし、落ち着かない。
人や車に踏まれたりしながらボロボロになっていくのではと考えると、せつない。

多分、しばらく待って再会できなければ、メシ食わないでも同じ帽子買うだろうな。絶対に同じではないと分かっていても。
ま、また長い時間付き合って、新しくヨレヨレになってくれれば、それはそれでひとつの楽しみではあるけれど。でもしばらくはあの帽子と再会することを願っているだろう。



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